藤原ヒロシのFragment Design(フラグメントデザイン)× Jordan1(ジョーダン1)コラボや、DIORとのコラボ初め、ラッパーとしてだけではなく、ファッション業界にもセンセーションを巻き起こしているTravis Scott(トラヴィス・スコット)。今回紹介するのはそのTravis Scottが楽曲を提供して話題になった、クリストファー・ノーラン監督の映画『TENET(テネット)』のオフィシャルプロモTシャツ。そのプロモTシャツにまつわるストーリーを見てみよう。
コロナ禍の公開でも3億5000万ドルの興行収入
コロナ禍で初めて世界公開された映画として注目を集めた「TENET テネット」。北米以外では2億9300万ドルという成績を収めたが、アメリカではロサンゼルスやニューヨークなどの主要都市の劇場が閉鎖されていることに加えて、再開した劇場の大半が定員制限を設けていることなども相まって5300万ドルという結果に終わってしまった。しかし、コロナウィルスという世界的なパンデミックの中でもこれだけの興行収入を上げたことにクリストファー・ノーラン監督は「興奮している」とコメントしている。
天才クリストファー・ノーラン監督作品の中でも”最高難度の作品”と言われるタイムサスペンスとなる本作は、革新的な映像体験であり、一度見ただけではなかなか理解が追いつかないという視聴者が続出したことでも話題となった。
クリストファー・ノーランも絶賛する楽曲『The Plan』
ファッションメディアGQのインタビューによると、クリストファー・ノーランは“His voice became the final piece of a yearlong puzzle,「彼(スコット)の声が、何年もやってきたパズルの最後のピースとなりました」” とコメントしている。
「The Plan」はトラヴィス・スコットにとって、普段とは違うプロセスで制作された楽曲で、クリストファー・ノーランが「TENET」のプロローグをトラヴィス・スコットに送ったことからはじまった。楽曲を聴いたトラヴィス・スコットはあまりに興奮した。楽曲を聴いた翌日にはワーナー・ブラザースのスタジオに行き、映画を見たという。今回の楽曲は映画に登場した様々な音を使用し、ビートを作っている。クリストファー・ノーランはトラヴィス・スコットのボーカルを大変気に入り、彼の声を映画に散りばめたようだ。また、トラビス自身も
「音楽制作は自分の個人的な人生経験から表現されるものが多い。でもこの楽曲では、自分がその瞬間に感じた感情をいかに楽曲のなかにキャプチャーするか、という意識が強かった。アルバムだと、自分の人生のストーリーをリリックにして、16曲に散りばめるが、この楽曲で表現したことは自分についてではなかった。Tenetという世界にいる自分を表現した。」
と語っている。
24時間限定販売されたオフィシャルコラボ
作品内でも印象的な場面をバックプリントに配したこちらのTシャツは、トラヴィス・スコットのオフィシャルサイトで限定販売されたもの。2020年8月22日の24時間限定で、その期間内にWebサイトにアクセス出来た者のみが購入できる権利を得られた。昨今のRapTee(ラップティー)ブームや、Movie(ムービー)Tシャツブームにもぴったりハマった一枚で、何よりWarner Bros. Entertainment Inc. All rights reservedというワーナーのオフィシャルライセンス物というところが、ファン垂涎モノの一枚となっている。
正面には作品タイトルを配し、右袖にはトラヴィス・スコットの音楽レーベル「cactus jack(カクタスジャック)」のロゴ。背面には“TIME RUNS OUT”のコピーがフロッキープリントで立体感のある演出がされており、前述のグラフィックやクレジットのレタリングなど含めデザイン性が高い一枚となっている。
ARTを着る、カルチャーを着る感覚でファッションを楽しんでみてはいかがだろうか。